ベアを贈るということ

テディベアは、説明のいらない数少ない贈り物のひとつです。 ただし場面によって読まれ方が変わるので、 自分が何を言おうとしているのかは知っておく価値があります。

習わしの由来

この玩具は百年あまりの歴史をもちます。二十世紀の初め、 ドイツとアメリカでほぼ同時に生まれ、以来一度も使われなくなったことがありません。 これほど長く続いた玩具はほかにありません。

理由は単純です。熊は大きくて、しかも安全だからです。 強さとやわらかさを同時に備えているため、遊びではなく「守り」の象徴になりました。

贈り物としての意味

  • 言葉にしない気遣い。いちばんの意味です。 「そばにいる」と言いたいけれど、口に出すのは照れくさい——そんなときに贈られます。
  • 慰め。入院のとき、喪失のあと、引っ越しのときに贈られます。 抱きしめられるものは、言葉が届かない場所で働きます。
  • 変わらずにいること。花や菓子と違って、ベアは残ります。 瞬間ではなく関係の長さについて語る贈り物です。
  • 子どもに戻ってよいという合図。大人にベアを贈るのは、 いつも強くなくていいと伝えたいときです。

場面が変われば、伝わることも変わります

出産に。ベアが向けられているのは赤ちゃんではなく、 始まったばかりの人生です。「この子と一緒に育つもの」という意味なので、 最初の数年を越えられる作りのものが選ばれます。

結婚に。多くはありませんが、たいていの贈り物より的確です。 二人が一つの家を始めるとき、二つとない品はそのまま比喩になります。 衣装に日付が刺繍されていれば、なおさらです。

追憶に。ベアはしばしば、いなくなった人の代わりに残ります。 写真では足りないときに手に取るもの。重い贈り物なので、 理解されると分かっている近しい相手にだけ。

理由もなく。いちばん強い贈り方です。隠れる口実がないからです。 日付のない贈り物は「あなたのことを考えていた」と読まれ、それは確実に届きます。

作家の作品が加えるもの

量産品は意味を運びますが、宛名は運びません。同じものが誰にでも買えるからです。 一度だけ作られた品は、そこに二行目を足します—— 「あなたのために選んだ。同じものを持つ人はいない」。

衣装にその人にまつわる情景——仕事、動物、街、日付——が刺繍されていれば、 贈り物は玩具であることをやめ、手紙になります。

この子を迎える

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