アークトファイル
アークトファイル(arctophile)とは、テディベアを集める人のこと。 その営み自体はアークトフィリーと呼ばれます。あまり見かけない言葉で、 調べる人はたいてい「それは自分のことだ」と気づいたばかりです。
言葉の由来
ギリシャ語の árktos(熊)と philía(愛)から。 二十世紀後半、ベア収集が独自の展示会や雑誌をもつ一つの分野として 形をなしたころに定着しました。
ぬいぐるみがたくさんある人との違い
数ではなく、構えです。収集する人には選ぶ基準があります——一人の作家、一つの主題、 一つの時代、一つの大きさ。誰が作ったかを知っていて、付属していたものも取っておきます。 タグ、衣装、連れの人形。
行き当たりばったりに埋まった棚は早く増えますが、 最後まで別々の品物のままです。基準のあるコレクションは、やがて一つのまとまりになります。
何が集められているか
- 古い工場製のベア——戦前のシュタイフとその同時代品。 もっとも骨董に近く、状態と書類と来歴がすべてを決めます。
- 現代マニュファクチュアの限定版——証明書付きの番号入り。
- 作家ベア——名前のある作り手による一点物。 この分野でいちばん生きている部分です。作った本人と話せますし、 その作風が年を追って変わっていくのを見ていられます。
いまの姿
アークトファイルは展示会や専門誌、収集家の集まりで互いを見つけます。 ベアは見せ合い、語り合い、贈られ、受け継がれていきます。 コレクションはゆっくり育ちます——作家ベアは一体に数週間かかり、 好きな作り手が一年に仕上げる数は多くありません。
意識して始める人はほとんどいません。まず、どうしても手放せない一体があり、 次の一体があり——気づけば、その状態にはとうに名前が付いていた、という順番です。
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